台湾ダーウィンズの富樫です。
早いもので台湾に着任して9ヶ月ほどが経過しました。
現状の言語レベルは、挨拶や飲食店の店員さんと何とかやり取りできるレベルなので、
まだまだ勉強の日々を過ごしています。(にしても、発音難しすぎ…)

ちなみに、私は通販支援の仕事をかれこれ16,7年程やっておりますが、
海外での仕事経験は初めてで、元々海外勤務を志望していた訳でもありません。
そんな私が台湾で9ヶ月ほど過ごしてみて学んだ、経験した、感じた

・台湾および台湾通販市場について
・日本との違いや比較
・台湾CCの状況

これらをざっくばらんにお伝えさせていただき、
海外で働くこと、また台湾市場の特性などを私なりの視点で皆様にお届けできればと考えています。
宜しくお願いします。

 

台湾および台湾通販市場について

まず前提として、台湾は人口2,300万人ですので日本のおおよそ1/5のサイズ感となります。
主な産業は皆さんご存知の通り、半導体製造でその産業を取り巻くサプライヤー間の
競争も激化しています。台北から新幹線で1h程度の新竹市は半導体企業関連のお膝元で
このエリアの物価は高く、まさに台湾経済をけん引している都市といった印象です。

観光においては、コロナ前の2019年には200万人以上もの日本人が台湾を訪れているようで、
両国間の文化的交流は非常に盛んな印象です。
特に日本のアニメや漫画、ドラマ、歌手に興味関心を持っている方が多く、
台湾人との会話の共通点としてこれらの話題はとても有効です。
(これらの話題に明るい台湾人が多いので私は大概話についていけなくなりますww)

あとUberに乗ると日本歌手の曲がかかっていることもざらにあります。

また、私が調べた台湾国内のスマホ普及率は、2023年時点で約89%と高く
スマホ利用者の年齢分布は、
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10〜19歳: 約95%
20〜29歳: 約98%
30〜39歳: 約96%
40〜49歳: 約93%
50〜59歳: 約85%
60歳以上: 約70%
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と、50歳以上の利用者比率で見ると日本より割合は高く推移しています。

更に物流関連のインフラが整備されていることもあり、EC取引は小売売上高全体の
約9.5%と右肩上がりで、今後も上がっていく見通しです。
確かに通販/ECの荷物受領方法としてコンビニでの受取が一般的だったり、
shopeeの受取無人店舗があったりと生活に密着している感覚はあります。
※実際に私もよく使っています。

無人受け取り

これら今後のポテンシャルや日系企業で相応の売上高を上げている企業もあることから、
サイズ感は日本の1/5であるものの、しっかり腰を据えて攻略することができれば
単体で利益を上げることができ、更に台湾以外のアジア各国に展開する際のハブとして
機能させることも考えられるので非常に可能性を感じます。
※ここでは割愛しますが、勿論政治的な側面やリスク、ネガティブ要素も考慮する必要があります。

 

日本との違いや比較

これはあくまでも私の視点なので、一つの考え方として見ていただければと思いますが、
台湾にてビジネスを好転させる要素の一つとして、「習慣と人を知る」ことが重要と感じます。

商習慣においては、日本と異なる点として1年の中で大型キャンペーンが複数回あり、
業界や販路問わず至る所で盛大に実施される点が挙げられます。
中には年売上高の2/3をこのキャンペーン期間で稼ぐ会社があるくらいです。
そんな群雄割拠の中、開始時期を早める、後ろ倒しする、
買一送一(1個買ったら1個無料)や大幅な割引など各社様々な工夫を凝らして臨みます。

買1送1

密度の高い、ある種カオスな環境の中で売上を上げ続けていくには、冒頭でお伝えした通り
習慣と人を理解した上で台湾内の生データと照らし合わせて戦術を立てなければ
(良し悪しの)根拠、仮説が曖昧になり、結果として場当たり的な投資になりかねません。

一方でコンタクトセンター領域においては、そもそも台湾地場企業は積極的に活用しているケースも少なく、
どのKPIにおいても総じて高い傾向にあります。(IBアップセル率・CS解約阻止率・OB休眠/F2転換SPL)
日本の通販黎明期の数値感をイメージしていただいても遜色ありません。

また、「後編」では弊社営業マネージャーの視点で日台の通販の違いを記載しますので、
是非参考にしていただければと思います。

 

台湾CCについて

台湾CCは、2018年の創業から丸6年経過しプロジェクト数もゆうに100を超え、
現状30名弱と組織規模は日本と比較するとまだまだ小さいものの
着実に経験と実績を積み上げられてきています。

現状は日系企業の受託割合が多いですが、着任後の営業方針として
台湾企業への営業を強化していたので徐々に台湾地場企業とのアカウントも増えてきています。
また、今後台湾以外の諸外国の(香港やマレーシア、シンガポールなどの越境)支援も予定していますので、
台湾を起点に様々な国のコンタクトセンター領域における各種KPIデータ蓄積、国別の傾向など
海外進出の判断軸の一データとして参考にしていただけるよう取り組んで行く次第です。

越境ECや他国に現地法人を作って展開予定の企業さまがいらっしゃいましたら、
これまで蓄積してきたデータや実績などできる限りの情報を開示しますので
是非一度ご相談いただけますと幸いです。

それでは、引き続きダーウィンズならびに台湾ダーウィンズを宜しくお願いします。